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唯「それぞれのしあわせ!」

ライトノベル新刊情報サイト「ラノベ総合案内所」が出来ました.

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 19:48:25.14 ID:C6MXafg00
からん からん

「いらっしゃいませ!」

「あの、カットの予約をしていた中野なんですが…」

「はい!承っております。…田井中さーん、お願い!」

「はーい!…いらっしゃい、梓」


 こんにちは。中野梓です。今日は、あるイベントの為に髪を切りに来ました!

「んー、どんな感じにしようか?」シュッシュッ

霧吹きが私の髪を濡らしてゆく

「そうですねぇ…高校時代の律先輩くらいの長さにしてください」

「……かなりバッサリいっちゃうぞ?」

「ええ、構いません!バッサリいっちゃってください!」

「…畏まりました」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 19:50:48.88 ID:C6MXafg00
 
髪をピンで留められ、私の髪に鋏が入る。

 鏡越しに見える鋏の持ち主は、すこし頬を赤らめている

 さっき私が言った名前の所為で。ふふふ…ちょっとからかってやろう。

「あれぇ?顔が赤いですねえ?…澪先輩?」ニヤニヤ

 うっという声とともに、作業の手が止む。

澪「あああ梓!と、年上をからかうな!」かあっ

 まったく可愛い人だ、思わず顔がほころぶ。

ー・?・?・?・?・?・?

澪「そうだ、梓、仕事は順調か?」

 すっかり冷静さを取り戻した澪先輩が私に言う。

梓「はい!軌道にのってきてますよ!」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 19:55:27.69 ID:C6MXafg00

澪「そっか、いいことだ!」

梓「まぁ、相方の馬鹿さにはほとほと呆れますがね…」

澪「あ…あはは…」

 澪先輩の乾いた笑いと鋏の音が響いた。
 


 私は今、アイツを連れて、ジャズバンドとして音楽活動をしている。
 
 バンド、と言っても二人なんだけど。
 
 私はムスタングをホロウギターに持ち替えて。

 …アイツはSBVをアップライトベースに持ち替えて。

 でも、キライな訳じゃなくて、演奏中の横顔はかっこよくて…

 ああああ!なんであの馬鹿をかっこいいなんて思うの私!
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 19:58:14.59 ID:C6MXafg00

梓「」ぷしゅー

澪「あ、梓!顔が!ままま真っ赤だぞ!」

梓「あああ大丈夫です、大丈夫」ドキドキ

澪「そ、そうか…良かった…」

 …くそう、帰ったら一発ぶん殴ってやる。…馬鹿純。


ー・?・?・?・?・?・?

梓「あ、そうだ。二週間後のアレ、もちろん参列しますよね?」

澪「当たり前だろ?絶対行くよ! 律なんて招待状見ただけでテンション上がっちゃってさ」くすくす

梓「あはは、律先輩らしい」くすっ

 律、というのは、今私の髪を切ってくれている人、田井中澪(旧姓 秋山)の旦那さんなんです。

 澪先輩は2年前、先輩達が23歳のときに律先輩と結婚した。

 澪先輩はこのお店で美容師として働いている。先輩後輩の関係はもう無いけど、やっぱり先輩をつけないとしっくりこない。

 で、その旦那様はと言うと……

――――――――――――――――――――――
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 19:59:52.79 ID:C6MXafg00


   「ぶわぁっくしょい!」


 「あはは!りっちゃんセンセ、オヤジくせー!」

 「イケメンが台無しだよ?」

律「うるへ!散れい散れい!」ずずっ

 「「きゃ?!!りっちゃんが怒った?!!」」だだだだ

律「教師をりっちゃんって呼ぶな!しっかり走りこんでこいよアバズレシスターズ!」

 「「はーい!!」」だだだだ

 ったく。さわちゃんの気持ちが今になって解るよ…

 おす!皆のアイドル田井中律だ!私はここ桜高で体育教師やってます!

 あ、あとバスケ部の顧問も。さっきのA・Sもバスケ部の部員。

 授業も終わって、部活まで一休み。…どれ、一服…

「田井中先生、宜しいですか?」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:03:16.78 ID:C6MXafg00
 
んあ?私は煙草を銜えたまま振り返る。まあ誰かは声で解るけど。

律「おう!和、お疲れ!」

和「真鍋先生、でしょう?」

律「あはっ!まあいいじゃん!一本いる?」けらけら

和「ハァ… いただくわ」

 和はけだるそうに煙草を受け取った。そして私は二人分の煙草に火を着ける。

律「はあ…落ち着くねェ…」ふー

和「ふふふっ、そうね」ふー

 私の隣で煙草を吸うのは、真鍋和。桜高の社会科教師だ。

 アンダーリムっつうんだっけ?眼鏡がよく似合う美人。

 ま!私の嫁には及ばんがなっ!

和「あ、そうそう。律、招待状が来たでしょう?」

律「おー!来た来た!ムギがだいぶ前に開けとけって言ってた日、同窓会じゃなかったんだな!」

和「私もてっきり同窓会かと思ってたわ…サプライズが好きなあの子たちらしいわ」くすっ

律「へへっ、だな」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:07:00.26 ID:C6MXafg00

和「…にしても、あなたたちの次がまさか…ねぇ?」くすくす

律「おお!そうだよ!……私的には和たちかと思ってたんだけどぉ?」ニヤニヤ

和「なっ…何を…」かああ

 おー。あの和がここまで取り乱すか…おもしれえ!

律「憂ちゃん待ってるんじゃないかにゃあ?」ニヤニヤ

 憂ちゃんってのは、私達の親友の妹さん。できた子なんだなぁこれが!

 んで、和にとっては幼馴染で、恋人。

 今は売れっ子の小説家として絶賛活躍中、って訳だ!

和「う…あうう…」まっかっか

律(憂の声真似)「お姉ちゃんの結婚式は近いんだよお?」

和「律っ!いい加減にしなさいっ!」かああ
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:11:26.15 ID:C6MXafg00
律「へーへー!ごめんな?」

和「っゴホン…いいわよ。こっちこそごめんなさい、取り乱したわ」

律「………でも、憂ちゃんは待ってるぞ?」

和「…ええ。百も承知よ……」

律「…そっか」

和「いつか、いや、近いうちに必ずけじめをつけるわ…」

律「よし!」

 私はポケットからヘアバンドを取り出し、垂れ下った前髪を持ち上げる。

 カチューシャと違っておでこは解放されないが、澪はこっちの方が好きらしいからな!

和「あら、部活見に行くなら後にしたのに…」

律「気にすんなって!」ふんす

和「ふふっ。ありがとう、頑張って、田井中先生」くすくす

律「おう!真鍋センセもな!」

 私は体育館へ向かう。さーあ、今日もあいつらをしごいてやるか!

――――――――――――――――――――――
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:14:03.07 ID:C6MXafg00



 「むぎちゃん!これどうかな!?」

 「うふふ、とっても綺麗よ。唯ちゃん」

 ああ、本当に天使のようだ。

唯「ほんと??むぎちゃんってば、全部綺麗っていうじゃん!」

紬「だって本当に綺麗なんだもの」くすくす

 目の前に居るのは私の最愛の人、平沢唯。…いや、琴吹唯。

唯「う…あう…」かああ

紬「本当に私が貰っていいのかってくらい…」

唯「! 私はむぎちゃんじゃなきゃやだよ!」

 私の悪い癖。可愛さのあまりからかってしまう。

紬「あ…私もよ?」

唯「うん…ほんとにだよ?」

紬「ごめんなさいね…つい」

 ウエディングドレスに身を包んだ彼女が私の胸に飛び込んでくる
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:17:10.28 ID:C6MXafg00
唯「つむぎ……大好き」ぎゅううっ

紬「私も…愛してるわ、唯」

唯「つむ……んっ」

 ああ、なんと幸せなんだろうか

 「おねえちゃ……あっ」

唯「ううううううう憂!」ばっ!

紬「」

憂「ふふふっ、ラブラブですね」くすくす

唯「あははは…」

紬「うふふふっ」くすっ

憂「あ!そうそう!衣装が決まったら、式場の最終チェックに行きましょう!」

紬「ん…そうね。唯ちゃん、あなたの好きなのを選んで?」
22: 支援ありがとうございます 2011/03/05(土) 20:20:09.92 ID:C6MXafg00
唯「うん!…どれにしよっかなー」るんるん

憂「お姉ちゃん、嬉しそう」にこにこ

紬「ふふっ、そうねぇ」

ー・?・?・?・?・?・?

紬「あっ憂ちゃんは…「憂」

紬「えっ…」

憂「憂って呼んでください。…お姉ちゃん」

紬「あ…う、憂」

憂「はいっ、お姉ちゃん!」

紬「…うふふっ」にこっ

憂「えへへっ…」にこっ

―――――――――――――――――――
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:24:39.34 ID:C6MXafg00


 夕暮れの町を歩く。すっかり短くなった髪が風で舞う。

 これで演奏中に髪が邪魔になることもなくなった。

 唯先輩とムギ先輩の結婚式にもふさわしいすっきりした髪形になった。

 
梓「…ただいまー」

 お?かえり?と間延びした声が聞こえる

 「むおっ!ばっさりいったねえ!可愛いよあずにゃヴぇっ!!!

梓「ああー…すっきりした。こら、そんなとこ寝てると邪魔だよ馬鹿純」

純「なんでええ!?私褒めたよ!?何で殴られたのぉ!?」ずきずき

梓「いらいらしてたから…」

純「いらいらしたからって恋人を殴るのか梓ァ!」ずきずき
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:28:10.49 ID:C6MXafg00
梓「こいっ…」かああ

純「わああああ!梓は私が嫌いなんだああああ!」びえええ

梓「ちょっ…嫌いじゃなっ…」

純「わああああああああああ」びええええ

梓「………」

 純は一度拗ねると手がつけられなくなってしまう。

 まあ、今回は私が悪いか… ああもう!
         
  ちゅっ

純「」

梓「こ、こっち見んな馬鹿純」かああ

純「あずさあああああ!だいすきいいいいい!!」がばあっ

梓「ちょっ…!ばかじゅ…んむっ」

―――――――――――――――――――
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:30:24.70 ID:C6MXafg00


 あー つっかれたー! 高校生相手にムキになるんじゃなかったなー…

 ま!私もまだまだ衰えてないってこったな!

 あー 今日の夕飯はなんにしようかな?

 「たっだいま?!」

 部屋の奥からパタパタと足音

 3   2   1…

 「りつ!おかえり!」がばあっ

 はいドンピシャ! かわええなぁ…私の嫁!

律「おうっ!ただいま、澪」

澪「うんっ!待ってたんだぞっ!」すりすり

律「ふふっありがとな」なでなで

澪「ご飯食べよう!律!」

律「作っててくれたの?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:34:06.80 ID:C6MXafg00
澪「ああ!」にこっ

 可愛ええなぁ… これがあるから早く帰ろうってなるんだよなァ…

ー・?・?・?・?・?

澪「どうだ!律の力を借りずに作ったんだ!」ふんす!

律「おおおおお!」

 食卓の上には沢山の料理… うまそうだなぁ…料理も、澪も

澪「さあ!食べよう律!」

 今は…料理だけを食べるか!

律「ああ!いただきます!」


――――――――――――――――
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:37:21.53 ID:C6MXafg00


  かたかたかた…たん

 お姉ちゃん達の結婚式を間近に控えた私は

  かたかたかたかた…たん

 
 締め切りに追われています……



 「うええ…終わんないよお…」

 週明けまでに寄稿しないと…

 ふと携帯を見ると、土曜日、22:40分

 まずいよお…

  コン コン コン

 「うい?ちょっといいかしら?」

憂「和ちゃん!?い、いいよ!はいって!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:41:13.54 ID:C6MXafg00
和「ふふっ、ごめんね。忙しいだろうに…」

憂「和ちゃんならいつでも歓迎だよ!…で、どうしたの?」

和「が、がんばってるのね 憂。 いや、沼辺 藍先生?」

憂「もう、ペンネームだよそれ」くすっ

和「あ…あははは…」(言え!、言いなさい私!)

憂「?…ふふっ」くすっ

和「あ…あのね、憂…」

 どうしたんだろう…和ちゃん… いつもの冷静さがない…

憂「う…うん」

和「憂は…憂はわっ、私がしっ、幸せに…」もごもご

 ん?しわ?
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:45:51.03 ID:C6MXafg00
憂「ん?なあに?」

和「私が憂を幸せにするから!…いえ」

    

  私と……幸せになってください。…平沢憂さん



    えっ? 嘘? 夢?

憂「」つねっ

    え?痛い…ってことは!?


    「結婚しましょう。憂」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 20:51:14.21 ID:C6MXafg00
 「のどかちゃん…ほんとに私で…いいの?」

 「馬鹿言わないで、私は憂がいいの」

 「わたし…わたし……」ぎゅうう

 「好きよ。愛してるわ…憂」ぎゅっ



 あのね、和ちゃん。私のペンネーム、沼辺 藍。Numabe Ai。

 
 これね、
         まなべ うい のアナグラムなんだよ?

 
 ありがとう、のどかちゃん。だいすきだよ。ずうっと。
 

―――――――――――――――――――
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:09:57.36 ID:C6MXafg00


 「いよいよ、明日…ね」

 ふと彼女がつぶやく。私は

 「そうだねぇ、でもきっと素敵な式になるよ!」

 と返した。すると彼女は

 「ふふふっ、…そうね」

 と目を細めて笑う。…きれいだと素直に思った。

 いよいよ、明日。

 私達の式も、りっちゃんとみおちゃんのみたいに、

  素敵な式にしようね。…紬。


―――――――――――――――――――
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:13:33.42 ID:C6MXafg00


 今日は紬と唯の結婚式。

 「和ちゃ?ん、かっこいいよ?」によによ

 憂、私は着せ替えのお人形じゃないのよ。

和「ねえ、憂。なんで私タキシードなの?」

憂「だってかっこいいんだもの?」にやにや

和「………スーツとってくるわ…」

憂「え?」ぶー

 この子、最近になって姉に似始めたわね。…要注意。

ー・?・?・?・?・?・?

 タクシーで会場までは約30分。…あと10分ってとこだろうか

 隣に座る婚約者はきょろきょろと落ち着かないようだ。
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:17:56.25 ID:C6MXafg00
和「憂?どうしたの?そわそわして…」

憂「い、いやね?お姉ちゃん、ちゃんとできるかなって…」

和「なに、そんなこと?」くすくす

憂「そっ、そんなことなんて酷いよ!ばか!」

和「だって紬がついてるじゃない。…あなたに私が居るように」

憂「……そうだね、私の方が馬鹿だったよ!」

和「あなたは優しい子よ…私が隣に居る限り、ね」

憂「ふふっ、和ちゃんは詩人さんだね」くすっ

和「あら、作家先生に褒められちゃったわね」

憂「…うん」

 握った憂の手は、ほんのり汗ばんでいて、

  この世のなにより、温かかった。
45: 43紬は 至って普通 を求めるんじゃないかと妄想 2011/03/05(土) 22:23:55.87 ID:C6MXafg00
ー・?・?・?・?・?・?

 会場の門をくぐり、玄関ホールを目指して歩く。

 この手はまだ、離さない

 「おっ!アツいねぇ!お二人さん!」

 やたらテンションの高い声。

 ホストみたいな髪形をした、私の同僚。

和「律、あなたねぇ…」

憂「おはようございます!律さん!」ぺこっ

律「おう!おはよ!…真鍋さんとこの奥さん?」にやにや

憂「り、律さん!?」かあっ

和「はいはい、そこまで。…律、澪は?」

律「あいつは唯の髪をセットしてる。憂ちゃんも行ってきな!」

憂「はい!」たたたた
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:29:13.73 ID:C6MXafg00
和「あ…私も…」

律「あーあー!和はダメ!澪曰く嫁さんズ以外は立ち入り禁止なんだと!」けらけら

和「あら、そうなの?」くすっ

律「ま!一服しようや!」

 律はいつもの太陽のような笑顔で私に缶コーヒーと煙草を差し出す

和「ありがと。…ところでほかの人たちは?梓や純も来るんでしょう?」

律「おう!だから私が待ってるってわけよ!」にかっ

和「ふふっ、そう」

 「うおおお!やっぱでっかいねー!ここ!」

 「馬鹿!恥ずかしいでしょ!…ああもう!スーツは着崩すなって何度も…」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:33:15.97 ID:C6MXafg00
律「おっ!バカップルの登場かぁ?」けらけら

和「あなたが言えたことじゃないでしょう…」

 「あ!おーい!律さん!和さん!」ぶんぶん

 「えっ!…あ」

律「あははは!おーい!」ぶんぶん

和「相変わらず落ち着きのない子ねぇ」はぁ

純「お久しぶりです!…おおお!律さんの髪カッコいい!」

律「だろぉ!?嫁の自信作なんだ!」ふんす!

梓「じゅーんー…」ごごごごご

純「ひいィっ!あじゅさ!ちゃんと着ますから!」

梓「…ふん。律先輩!和先輩!おはようございます!」
50: 49 2011/03/05(土) 22:35:38.95 ID:C6MXafg00
和「ふふふっ、おはよう」

律「おはよ!梓!…ほんとにバッサリいったんだな」

梓「はい!さすがに邪魔になってたんで…」

律「私はロングの梓も好きだぜ?」

梓「澪先輩と同じだからでしょう?」くすっ

律「まあな!」あははは


 暖かい空気が流れる。でも、やっぱり

    憂の方が、…暖かい。


―――――――――――――――――――
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:40:20.23 ID:C6MXafg00
二人しかいない控室。

 私は真っ白な燕尾服に袖を通す。

  最愛の人が選んだ、花婿衣装に。


 「…お嬢様」

 「なあに?、斎藤」

 「綺麗に…なられましたな。…お美しゅう…なられました」

 「斎藤…」

 「私には子がおりません…どうか、どうか今だけ…お許しください」

 斎藤の両の腕が私の肩を抱く

 すっかり白くなった髪が頬に触れる
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:40:20.23 ID:C6MXafg00
 「…斎藤?」

 「……綺麗になったな…紬よ…」


  紬。 彼は確かにそう呼んだ。

  どんな時も主従の関係を守り続けた彼が―――


   わたしを、娘と、そう呼んだ


 ありがとう、斎藤。…私の、もう一人のお父さん。

             私は、幸せになります。


――――――――――――――――――――
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:45:58.05 ID:C6MXafg00


 「よし!完璧だ!」

 澪ちゃんが高らかに声をあげた。

 「おねえちゃん…綺麗…」

 憂がうっとりと呟く

 馬子にも衣装、意味はよくわかんないけど、多分、今の私。

唯「えへへ…ありがと!澪ちゃん、憂!」

澪「ふふふっ、すっごく綺麗だ!唯!」

憂「ほんと…きれ…う…」

唯「憂…」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 22:56:36.25 ID:C6MXafg00
 憂の目から涙がこぼれ落ちる

唯「憂…泣かないで?」

憂「うん…大丈夫…感動しちゃって…」

 えへへ、と憂が笑う

唯「式の時用の涙、とっときなよ?」

憂「…もう」くすっ

 よかった。 笑った。

澪「ふふふっ、なんか思い出すなぁ」

 澪ちゃんが自分の薬指を見ながらしみじみと言う

唯「澪ちゃんたちの式、綺麗だったなぁー」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:02:01.03 ID:C6MXafg00
澪「ん…ありがとう。…じゃあ、私はこれで」

憂「ありがとうございました!澪さん!」

唯「ホントだよ?ありがと!」

 くすりと笑って、澪ちゃんは部屋を後にした

唯「………」

憂「………」

唯「…お姉ちゃん、先に幸せになるからね?」

憂「…うん!」

 ありがと、憂。
         次は、憂の番だからね。

――――――――――――――――――――――
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:04:50.28 ID:C6MXafg00


 「律!だらしなく座るんじゃない!」

 「うえーい」

 「ほんとに律先輩は…ほら純も!」

 「「うえーい」」

 「「こんの馬鹿(律・純)!」」

 「あ…あははは…」

 「まったく…もう…」

ー・?・?・?・?・?・?・?・?
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:09:01.10 ID:C6MXafg00
 
 馬鹿の馬鹿な行動をたしなめるのにも疲れた頃、アナウンスが響く

 『皆様、これより、新郎が入場されます。カメラをお持ちの方は、撮影しやすいところへ、移動なさってください』


 『新郎、入場』

 ファンファーレとともに、扉が厳かに開く

 激しいフラッシュの光と拍手の中を

 白い燕尾服を纏ったムギ先輩が、一歩、また一歩と歩みを進める

 美しくも凛々しい金の髪を揺らして。
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:12:50.15 ID:C6MXafg00
 祭壇に上がったところで、此方に向き直る。

 …いいなぁ 私も、いつか


 ぎゅっ


 横に座る純の手を握る

 純は特別驚くこともなく、握り返してくれた


 …純、  期待して…いいよね?

ー・?・?・?・?・?・?・?・?
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:16:53.45 ID:C6MXafg00

 眩しい 目がくらむ

 リハーサルと本番では、祭壇の上からの景色が全然違う

 あ…澪ちゃん、泣いてくれてる…

 さわ子先生も…

 お母様も…お父様も…

 っ… だめだめっ! 泣くな、私…

 あ…りっちゃん…

 りっちゃんが…なに?  …わ・ら・え?かな?

 …ふふふっ ありがとう
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:20:11.96 ID:C6MXafg00
 
 『新婦、入場』

 き、きたっ!

 
 扉が再び開き、光の中を歩んでくる  愛しい人

 私も愛しい人へと近づく。

 彼女のお父さんと目が合う。泣きながら笑ってらっしゃる

 解ってます。必ず、必ず幸せにします


 彼女の手をとり、祭壇へ向かう

 ああ 私はなんて幸せなのだろうか――――

ー・?・?・?・?・?・?
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:24:16.64 ID:C6MXafg00
 汝、琴吹紬は 平沢唯を妻とし 良き時も悪しき時も 富める時も貧しき時も

 病める時も健やかなる時も ともに歩み 他者に依らず

 死が二人を分かつまで 愛を誓い 互いを想い 互いにのみに添う事を

 神聖なる婚姻の契りのもとに…


 誓いますか?


 なにを迷う必要があるか     


    誓います
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:29:20.44 ID:C6MXafg00

 
 ここに、指輪の交換を―――――


 私のお給料だけじゃ、そんなに良いものは用意できなかった

 それでも、最高の愛情を込めた

 私の愛が一番綺麗なんだ と彼女は、

 唯は そう言ってくれた


 それでは誓いのキスを…


 「唯、…幸せね…」

 「うん…幸せ…すっごく!」


 今日ここに、私達は 


    結ばれた


 
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:34:20.38 ID:C6MXafg00
おしまい

gdgd文にお付き合いいただき、ありがとうございました!


ひとつ、謝罪を
和ちゃんの魅力を120%引き出せなかったことを、ここに謝罪いたします。
和スレ住人、ごめん!
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:31:17.01 ID:xXRS3ze50
―――刹那

 「その式ちょっと待ってくださいっ」

唯「ふぇ?」

 式場内に響き渡る声

 その声は、私が今まで一番聞いた声

 誰よりも、なによりも、大切で―――

 「…待ってください」

 大切?

 それだけなの?

 “キミの声が聞きたいよ”

 今、この時、この場所で、私は何を考えてるの?

 想いが加速するように一気に熱くなる

 私はその声を聞き間違えるはずがない

 だってそれは、私の世界で一番―――

唯「…う…い?」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:35:48.41 ID:C6MXafg00
>>73 やめろwwびっくりしただろ!ww
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:36:14.31 ID:F2+Qnqcg0

結婚式の雰囲気が良かった
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/05(土) 23:38:54.34 ID:lnRsmWpD0
こりゃいいや乙
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/06(日) 00:26:09.29 ID:5P8n/aUq0
>>1

>>53に泣けた

これもいいSSだったよ
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/06(日) 00:57:21.03 ID:kwJb/mEx0
乙!
唯紬は可愛いコンビ
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/03/06(日) 01:32:50.57 ID:x0S+OGbk0

お互い呼び捨てで呼び合うのもなかなか

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